「3輪のばら」新作

下絵の作成

構成を頭に浮かべたら、下絵を描きます。が、絵が下手なのでデザイン画等から借りてきて適当な大きさに拡大縮小し、紙にプリントしておきます。今回はこのばらが背景から色鮮やかに浮き出るよう、絵の部分は和紙を裏から貼り、背景は表から貼り、ばらや葉を構成する絵の輪郭を構成するワイヤーは金色にペイントする方法を取ります。

いきなりワイヤーで作り出す

まず絵の中心となるばらや葉の部分を個別に作ります。バラの中央の細かい部分は0.9mm径の「銅線」を、外側の花弁は1.2mm径の「銅線」を使いバラ部分を構成します。銅線を使ったのは細かい部分が曲げやすい為、また最後は金色にペイントするので色は問題ないと考えました。先にバラや葉の部分を作成し、最後に背景に接続した様子が左写真です。因みに背景部分は1.6mm径の真鍮線。ここでばら部分の和紙は裏貼り、背景部分は表貼りの為、背景を構成する1.6mm径のワイヤー（下右図赤色ライン）とバラの花弁部分を構成する1.2mm径のワイヤー（下右図青色ライン）の接続部分は伴付け時接続高さを変えておきます。

とりあえず骨組みを完成させる

絵の部分、背景部、裏面を含め一旦全ての骨組みを完成させます（下左図）。その後中央部で判田付け部分を真っ二つに分けます（下中央図）。絵柄の部分の和紙は裏貼りなので下左図の状態では手が入らないので和紙が貼れません。面倒でも一旦外しましょう。その後下右図のように絵柄部分を残しワイヤーをマスキングします。この状態で金色のペイントを行い、十分乾くまで待ちます。

和紙貼り

和紙はまず背景部分から貼っていきます（下左図）。下左図は裏側からの映像で、白い和紙は表側から貼られておりその為真鍮ワイヤーは和紙に隠れます。しかし絵柄の部分は和紙を裏から貼るため背景の白い和紙のばら輪郭部のワイヤー部分はご覧のように裏側に貼られているのです。この為輪郭部のワイヤーは和紙に隠れることがなく表面に現れます。絵柄部分と背景部分との接続部に段差を付けるのはこの表裏の和紙の境界にあたるためです。次に絵柄部分に和紙を裏から貼っていきます。輪郭に沿うようにペンでなぞった後和紙を正確に切り取って貼り付けます。ワイヤーが細いので少しでもはみ出すと輪郭から別の色がはみ出て見苦しくなります（下中央図）。最後に表からみた映像が下右図です。バラの輪郭が表に出て縁どられますが、背景のワイヤーは裏に隠れて見えません。

裏側を組み立て光源のLEDを装着し和紙を貼る

表側の和紙を貼り終えたら再び裏側の骨格を伴田付けします。その後ランプシェードとして全体を照らす配置にLED光源を配置し、裏側の和紙を貼っていきます。様々な種類のLEDを必要な数だけ、自由な間隔で配置できるよう、独自のLED基板を作成しました。下右図は160度照射角の４個の面発光LEDを３０ｍｍ間隔で配置することにより平面である絵柄全体を万遍無く照射できるようになっております。

台座部の作成

今回台座部は１５ｍｍ厚の生板を使いました。これまでスイッチは3段式のトグルスイッチだったのですが、これでは生板に配置できないため小型のプッシュスイッチにせざるを得ませんでした。しかし明るさ検知モードも設定したいので、思い切って初めてマイコン搭載のLEDドライブ基板を搭載することとしました。まず生板の側面にスイッチ用、明るさセンサ用、電源インレット用、の穴を下左図のように空けます。他にランプシェード部を固定する穴も空けておきます。その後マイコン搭載のLEDドライブ基板を装着し配線します。最後にランプシェードを乗せて裏で止めます。スイッチはロック機構のないプッシュスイッチなので、普通に押すと常時点灯、常時消灯が交互に行われますが、1秒以上長押しすると明るさ検知モードに切り替わり、明るさセンサからの信号で暗くなると点灯するようになります。もう一度長押しすると、常時on-offの通常モードに戻るようマイコンが制御しております。なお、スイッチには赤いLEDが付いており、明るさ検知モードになると点灯するようになります。なお、マイコン搭載基板では様々な機能の搭載が可能な為、その内容については項を改めて説明したいと思います。